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サッカー撮影102(モチベーション) [サッカー撮影]

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先月、U-12女子の大会を撮りに行ったことを、このブログでも書きました。そのグランドへは自宅からは少し遠く、時間に余裕を持って出発したので、試合開始時間より随分前に到着できました。まだ人影少ない凛とした空気に包まれたピッチに降りてみれば、あの時のことが思い浮かんできました。此処は、愚息2号が現役最後の試合を戦って、敗れた場所。そして私が、サッカー選手の保護者ではなくなった場所。あれから約二年半が過ぎていました。
勿論その当時も県サッカー協会のカメラマンを任されていましたから、全く知らないチーム・選手も撮っていました。けれどやっぱり私も、人の子の親。自分の息子やそのチームを撮るとなれば、付加される想いはあります。「今日の愚息の出来はどうだろう?」「今日の試合を勝ちあがって次に繋げて欲しい」、そんな想いがシャッターボタンに掛ける指に宿ります。そして負ければ即引退のトーナメント戦では、「これが愚息の最後の試合になるかもしれない」との想いも。試合の勝敗や愚息の出来・不出来に一喜一憂しながら撮った、あの頃の記憶が蘇ってきました。そして懐かしさと共に、もうそんな経験ができない事に、暫しの寂しさを禁じ得ませんでした。

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現在のカメラは高性能です。ピントは自動で合わせてくれるし、小難しい露出で悩む必要も無い。連写で決定的瞬間を撮る確率も上がっています。シャッターボタンを押せば写真は撮れるのです。けれど(これまでこのブログで述べてきたように)、サッカー撮影で満足できる画を得るには、片手間では撮れない。常に動き、変化する目の前の選手とボールを追って、無数に現れては瞬時に消えるシャッターチャンス、それを判断する撮影者の価値観とそれを具現化できる集中力を維持し続けることが求められます。更に、変化する光線具合を考慮した設定や四角い画面に被写体をどう捉えるかの構成力、試合展開や内容に応じて選手の意気を感じることなど、撮影者自らのヒューマンファクターも多々必要となるのです。そしてそれらの源となっているのが、より良い写真を撮りたいというモチベーションなのです。

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モチベーション(motivation)。それは、動機を与えること、動機づけ、物事を行うにあたっての意欲・やる気、という意味で使われる言葉です。それには動因(人の内側から行動を引き起こすもの)と誘因(人の外側から行動を誘発させるもの)の二つの要因があるそうです。私が「頑張っている選手の姿や表情を、満足できる画にして残したい」と思うのは前者であり、「県協会のカメラマンとして期待され、より良い形で渡さねば」と思うのは後者でしょう。私が今ピッチサイドに立ってカメラを構えるのは、この二つの要因からであり、残念ながら以前のような「親としての情愛から」という部分は欠落してしまいました。しかし逆に、それが無くても、サッカー撮影をしようというモチベーションは存在するのです。

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サッカーを撮る、試合中の選手を撮る、そうした方々の中で一番多いのは、たぶんご自身のお子さんの姿を撮りたいという想いからでしょう。次に多いのは、贔屓にしている・応援しているチームや選手を撮ることでしょうか。それに比べ私が今撮っているのは、その多くが顔も名前も知らない選手達です。基本的に試合の勝敗に一喜一憂することはありません。撮った写真の提出先が決まっていることを考えれば、撮る目的はあります。しかし、100%義務だけで撮りに来たわけでもない。そんな私のモチベーションを構成しているのは、これまで得られた技術や経験をより切磋すること、そして私の課せられた期待に応えること、です。

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サッカー撮影は趣味、または子供の成長記録として撮る、そういった方が、お子さんの現役引退と共にサッカー撮影を辞めてしまうことは不思議でも、悪い事でもありません。そこに注力していた分を、そこに価値を見出していた分を、他に振り向けることは、何ら不思議でも悪い事でもないので、否定もしません。ただ私は、「親として」という前提の有無で撮影結果が変わるようならば、それは自らの技術がまだ未熟、または未だ経験値が足りないからではないか、と考えてます。その根拠は私自身の経験からです。「選手の親」というステッカーを剥がされた直後、同じ機材を使って同じように撮っても、どうにも冴えない画が多くなってしまった、「何故だろう」と自問した結果です。イヤイヤ撮っていた訳でも、義務で撮りに行った訳でもない、これまでと同じように撮っているつもりが、「サッカー撮影はそんなに甘くないゾ」と言われたようでした。そしてその疑問解消の追及が、今の私のモチベーションの一つになっています。

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このブログで私は、サッカー撮影は写真撮影の中でも難易度の高い分野であることを述べてきました。それに挑むにあたって、モチベーションは不可欠です。良い写真というのは、良い機材、高い技術と経験、そして旺盛なモチベーション、この三つによってもたらされると思います。撮る被写体が自分の子やそのチームであるかどうかは、モチベーションの中の一部に違いありませんが、他の要因が占める割合が高ければ、その有無で撮影結果が大きく変わることはない、そう思うのです。お子さんのサッカー撮影を辞めてしまってしばらく経っている方、機会を見てもう一度サッカーを撮ってみてはどうでしょう。そこで以前と同じような画が得られるなら、辞めるには惜しい技術と経験をお持ちだと思います。

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ブログを再開して一年が過ぎました。満を持して、という訳ではないですが、このブログの基幹である「サッカー撮影」を、少しずつでも書き続けたいと思います。

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