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「Seven Days War」 [本・映画・アニメ・詩歌]

2015年も僅かとなりました。今年最後にご紹介するのは、1988年リリース、TM NETWORKの「SEVEN DAYS WAR」です。

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この曲は、1988年の角川映画「ぼくらの七日間戦争」の主題歌として作られました。宮沢りえ主演第1作としても注目されましたから、ご記憶の方もいらっしゃると思います。映画の内容は、管理教育に抑圧された中学生が、学校・教師、それを取り巻く大人たちに反旗を翻(ひるがえ)す話です。校則に無理やり押し込もうとする教師との対比で痛快さを狙ったのですが、戦車なんか出てきてエンターテイメント的で、映画としての評価はそれほどではありません。この映画のために作られたこの曲、タイトルもそのままなら、「映画の主題をあまりにストレートに表現しすぎる」との声もありました。しかし映画から離れて、この曲だけを聞いてみると、また別の感じ方もできると思います。

Revolution
ノートに書き留めた言葉
明日を遮る壁 乗り越えてゆくこと
割れたガラスの破片 机の上のナイフの傷
訳を話せないまま 閉ざされたドア叩いていた
全てを壊すのではなく 何かを探したいだけ
全てに背くのではなく 自分で選びたいだけ
Seven days war たたかうよ
僕たちの場所 この手で掴むまで
Seven days war Get place to live
ただ素直に生きるために


「割れたガラスの破片」「机の上のナイフの傷」、これは抑圧され、鬱積された感情の象徴でしょう。それらを乗り越えて行くべき壁として、既に認識しています。ただ、壊したり眼を逸らしたりするのではなく、「乗り越える」と。「War=戦争」という言葉を使っていますが、「たたかう」とは、「戦う」ではなく、ここでは「闘う」が正しいでしょう。相手である人間を殺傷すること、体制を破壊することを目的とした戦争ではなく、「探したい」「選びたい」なのですから。

Communication
届かない声 つぶれたシューズ ちぎれたシャツ
ルールと正しさの意味 分からないまま従えない
誰かと争うのではなく 自分を見つけたいだけ
誰かを憎むのではなく 想いを伝えたいだけ
Seven days war たたかうよ
僕たちの場所 誰にも譲れない
Seven days war Get place to live
うつむかず生きるために


納得できない規則を押し付けられ、それに従うのが正しいことだと言う者達。彼らと彼らの作った体制と闘うと言いながらも、コミュニケーションを拒まず、しかし届かない声は、「つぶれたシューズ」や「ちぎれたシャツ」を生みます。でも人を傷つけるような争いや憎しみが本懐ではない。ここで言う「War=戦争」とは、屈しない心、自己表現したい自由を望むこと、それらを勝ち取ることだと分かります。その目的は「素直に生きること」だからです。

Seven days war たたかうよ
僕たちの場所 この手で So do it now
Seven days war Get place to live
ただ素直に生きるために


素直に生きること、うつむかず生きること、それが闘う目的です。そしてそれができる「Place」をこの手で掴むこと、そうした場所を勝ち取るために諦めないこと、それをこの詩は示しています。そう考えて行けば、「Seven days war」というタイトルが、多分に映画の為であり、本当のタイトルは、「Get place to live」なのではないか、と思えます。

「Place=場所」、誰にも現在を生きている場所があります。それは期待を胸に門をくぐった学校の教室でしょうか? 貴方が今日も通う会社の机でしょうか? マイホームの食卓に座る椅子でしょうか? レギュラー争いの末に勝ち取ったポジションでしょうか? 分け隔てなく話せる友と会う場所でしょうか? それとも名刺の肩書きでしょうか? 地位でしょうか? その場所は、望んで得た場所でしょうか? 努力の結果やっと手にした場所でしょうか? 誰かに無理やり押し付けられた場所でしょうか? 知らず知らず流された果ての場所でしょうか? そして、そこで貴方は、素直に生きているでしょうか? うつむかず生きているでしょうか?
人は一人では生きていけない。多くの人との交わりの中で生きています。学校、会社、家族、そしてそれらを全て含んだ社会という大多数の個の集まりに中の一つが貴方。その立ち位置は常に変化しているものかもしれない。自分が自分らしく伸び伸びと生きられる場所、それは何処に住んでいようが、幾つになっても、簡単に手に入れられるものではないでしょう。だから闘うのです。誰かと争うのでもなく、誰かを憎むのでもなく、でも自分が素直に生きるために、闘ってでも手に入れるべき価値有る場所、それが誰にでも有るはずなのですから。

まもなく2015年が終わります。ただ時の流れは無限です。暦の区切りが来るだけであって、2015年は2014年の続きであり、2016年へ続いていくものです。人が暦を作り、一年という時間の尺度を設けたのは、記録するためであり、記録するとは振り返って考えるためのものです。今年、貴方が居た場所はどんなところだったのか、そこで何を見て、何をして、何を失い、何を得て、何を感じたのか、新年を迎える前に暫し確認しておくことをお勧めして、このブログの今年最後の記事とさせていただきます。
ありがとうございました。



TM NETWORK 「SEVEN DAYS WAR」


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