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プロ [巷の雑感・時の想い]

ある保険会社の調査で、小学生以下の子供たちに「大人になったらなりたいもの」と聞いたところ、サッカー選手と答えた男の子達が5年連続の1位になったそうです。全くサッカーをやった事の無い子供がサッカーを選ぶとは考え難いので、それだけサッカーピラミッドの裾野が広がったということでしょうか。また、今年はワールドカップもありましたし、テレビでそのスーパープレイを見た影響もあったとは思いますが、いずれにせよサッカーに少しでも関わる者としては喜ばしいことです。

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もうずいぶん前の話です。「ウチの子も、サッカーじゃなくて野球をやらせればよかった」。ある保護者の方との談笑で、そんな言葉が聞かれました。その野球は現在はシーズンオフということで、新聞紙面などでは、契約更新やトレード話で億単位の金額が飛び交っています。もちろんプロ野球とて厳しい世界。そう簡単に1億を超える金額を貰える訳ではありません。本人の才能、努力、実績、周りの協力、そして運。それらが全て欠けることなく備わってこその金額だとは思います。けれど日本では、そんなプロ野球選手に比べれば、プロのサッカー選手の貰える額は概して少ない。年棒で1億を超える金額を得られる選手なんて、今の日本人選手に何人いることか。そんな話の際に出たのが、先のある保護者の方の発言でした。ちなみに、その方のお子さん(ウチの愚息1号の先輩)は、今はプロのサッカー選手、Jリーガーになっております。
「サッカーなんてまだイイ方だ」そんな声が出てくるでしょう。巷には多くのスポーツ競技が溢れ、それぞれがそれぞれの目標をもって、更なる上を目指し、努力しています。でも、まだプロ選手が存在しない競技も多いですし、あってもその収入だけで一家を賄えるほどにならない競技もあります。純粋にスポーツを愛し、それを嗜む方々には、「そんなお金の話なんて」「損得勘定だけで考えるものではない」とのお叱りを受けそうですが、しかし人間は、金銭無くして生きていくことができないのも事実です。そんなことを嫌というほど味わってきた親が、子供の将来に考えるにあたって、その金銭の事を抜きに考えることもできないのは、自然な事だと思います。
親はいつまでも親です。子供がサッカーを続けようが止めようが、他の競技に転換しようが勉学に目を向けようが、です。親は監督やコーチではありません。だからサッカーを教えることはできないかもしれません。けれど、そのチームを離れようが辞めようが、その子の親であることには変わりなく、一人前の社会人にする責務があります。だからこそ、少なくとも自分で稼いだ金で生活できるようになるまで、親は子を心配し、時に相談相手になり、時に厳しく指導し、社会の一員というところまで押し上げようと努力します。プロ選手も社会の一員なら、途中で挫折してサラリーマンになった人も社会という大きな枠組みの一員であることに変わりないのです。そして何より、そんな社会の一員としては、親は子の先輩でもあります。
親が子に、自分が果たせなかった夢を託すこともあるでしょうし、自分の味わった苦節だけは避けて通らせてあげたい、との想いも有るかもしれません。「自分の進むべき道は自分で決めろ」「自分で決めたことなら最後までやり通せ」それは立派な考え方だとは思います。ただ、まだこの社会を見回せるほどの眼力を持ちえない子供に、それだけを強要するのは無理があるかと思います。子がどんな選択をしようとも、あなたが親であることには変わりない。だからこそ、子がどんな選択をしようとも、最も身近な社会の先輩であるべきです。
ウチの愚息1号の同級生に2人のJリーガーがいます。一人は同じ市中ながら別のチームに所属していた子で、小学生時代に何度も対戦しました。今は名古屋グランパスの選手です。もう一人は中学生時代のチームメイトで、今はジュビロ磐田の選手です。ただその時に愚息と共にボールを蹴った子達は、その2人だけではありません。何倍、何十倍もの同期生がいましたが、途中で別の道を選択し、今はみんな社会人一年生です。この時期、小学生や中学生の保護者の方々は、子供の進路に苦慮しているかもしれません。いや、苦慮してください。小学生や中学生で、全てを見通せるほどの知識も経験もないのですから。高校生の親御さんは、子供の決めた進路に不安を覚えているかもしれません。不安だったら、見てあげてください、聞いてあげてください。少なくとも子供の生きてきた歳月より、ずっと長くこの社会で生きてきた先輩なのですから。
社会人のプロというのは存在しないかもしれません。けれど、自らが働いて得た金銭で一家を養い、そこで子を産み育ててきた親は、立派な社会人のプロだと思います。

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