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サッカー撮影71(それでも捕捉し続ける その4) [サッカー撮影]

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広いグランド内を不規則に動き回る選手が被写体です。1秒後の位置を予測できれば、待ち構えて撮る、という「置きピン」はできますが、試合中の流れの中では、そうしたことができるシーンは限られるのがサッカー撮影。試合中は、動き廻る選手を正確に指定したAFフレームで捕捉し続けなければ、連写の1枚目をジャスピンにすることはできません。
その点を考慮して、では下の作例を見てください。
CANON 1D MarkⅣ+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm シャッター速度AE シャッター速度 1/1250 絞り F4.0 評価測光
露出補正 -1/3  ISO 100  AI SERVO AF  RAW 高速連写モード(秒9コマに設定) ノートリミング

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AFフレームは狙った所を外していませんが、明らかに背景にピントがいっています。3連写しても復帰の気配は有りません(故に4コマ目は撮らず)。これでは、1コマ目にピントが来なくても、AFフレームで狙いを合わせ続ければピンは来る、という1回目の仮説は崩れたことになるのでしょうか。今回載せた画だけで判断する訳にはいきませんが、「AFフレームで捕捉し続ければ、ピンは来る」は「来るかもしれない」ということでしょうか。前回の作例を踏まえれば、「AI SERVO AFでの動体撮影では、1コマ目をジャスピンにすること」には、「それでも外す場合はある」という但し書きを付けねばならないのでしょうか。

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現在のデジタル写真では、自宅のパソコンで簡単に等倍表示できます。また、その写真自体にExifデータが埋め込まれています。これによって、どのような設定で、どのAFフレームを使って撮ったのか、後になって検証することが可能です。1日をサッカー撮影に費やして、1000枚を超える画を得たとしても、その全てが望む画ではないでしょう。失敗した画、価値の無い画も多々あるはずです。そしてそれらの画を削除してしまう前に、何故そうなったのか、を反省できる環境を我々は得ています。これは銀塩からデジタルになった恩恵の一つだと思います。安易にカメラやレンズの性能の責にせず、今一度振り返ってみることも、スキルアップにつながるのではないでしょうか。自身を振り返ってみれば、ちょうど10年前に1D2を手にした私は、「プロ機を手にしたのにこんな画しか撮れないなんて・・・」と悶々とした日々を送っていた記憶があります。そしてその時の、反省の積み重ねが今に至っていると思っています。

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さて、話を上の失敗例に戻します。この画の原因は、撮影者が狙っている被写体が背景であり、その手前の選手は障害物である、とカメラ側が判断した結果だと思われます。サッカー撮影では広いグランド内を動くボールとそれに絡む選手を狙います。当然、レンズを振っての撮影になります。この画を撮る一瞬前にAF駆動をさせてしまった(シャッターは切っていない)、その際AFフレームが掴んだのは背景であった、その後AFフレームを狙う選手に合わせて連写したが、被写体追従度を「やや遅い」に設定していることもあって、カメラが粘り強く背景にピントを合わせ続けた結果の画だ、と私は推測しています。つまりは、撮影者自身とカメラの判断がズレた為の結果であって、カメラやレンズの不具合でもなければ、設定の間違いでもないのです。現在のAFの性能が、使用者の意図や意志に直結していない以上、この結果は享受しなければなりません。

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もう一例、載せます。この3連写は上の3連写と同じ日に撮ったもので、使用機材や設定はまったく同じです。

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D.P.P.にてAFフレーム(1点指定&領域拡大)を表示させたのが下です。

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AFフレームの位置のとおり、1コマ目は白いユニフォームの選手にピントが合っています。しかし2コマ目ではピンが迷い、そして3コマ目には手前の青いユニフォームの選手にピントを持ってきています。つまりAFは、手前に出現した青いユニフォームの選手を障害物とは見なさずに、これこそが撮影者の狙う被写体だった、とカメラ側が判断してピントを移動してきた訳です。もちろんその間も両選手とも動いていますから、コマ間0.125秒の間に測距しつつのAFの仕事ぶり、ということでしょう。
一例目では、手前に入り込んだ選手にピンを持ってくるには、ピント位置を大きく動かさなければならず、よって「これは障害物だ」との判断がなされたのでしょう。その点二例目では、ピント位置をそれほど大きく動かさなくても、AFフレームで捕捉された被写体にピンを持ってこれるので、ピントの乗り移りがされたものと推測できます。
もし私が後ろの白いユニフォームの選手を狙っていたのであれば、「1コマ目にピントが来たので連写したのだから、もう少し粘って欲しかった」と思うでしょう。ただそれならば、3コマ目のAFフレームの合わせ方は違ったはずで(もう少しレンズを右に振っていた)、それならばこの3コマ目は後ろの選手にピンが来ていたと思われます。もし私の狙いが青いユニフォームの選手であったら、1コマ目にジャスピンにできなかったのは私のスキル不足。それでもその後AFフレームで捕捉し続けた結果、3コマ目にピンが来た、ということになるでしょうし、この「狙う被写体の乗り移り」のお蔭でAFに助けられた、と思うでしょう。それはつまり、この章の1回目に書いた、「AFフレームで捕捉し続ければ、ピンは来る」ことになります。
選手と選手が重なり合う、しかもそれが常に動く、背景も単純ではないかもしれない、そんな被写体を撮るのがサッカー撮影。如何に高価な機材で、現在の優秀なAF性能をもってしても、100%思い通りの画を撮る事は難しいことがお分かりいただけるでしょう。それでも、常に動き回る被写体を相手にしながら、AFでジャスピンの画を量産するには、カメラ側の判断と撮影者の意図をリンクさせなければならない、という結論でしょうか。

では・・・

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サッカー撮影70(それでも捕捉し続ける その3) [サッカー撮影]

スポーツは筋書きの無いドラマです。100%予想することなど不可能です。私たちはこの難解な被写体を撮ろう、しかもピントのしっかり合った画が欲しい、というのですから、当然難易度は高いですね。

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1回目では、突然飛び込んでくる良シーンに対して、たとえ遅れたとしても、しっかり捉え続ければ、ピントの合った画が得られるケースを紹介しました。しかし前回は、たとえそうなったとしても、動体撮影ですから、ピントが合っても欲しい画にならない場合もあることを書きました。AI SERVO AFでは、まず1コマ目をジャスピンにすることが大切。その為には、いくらAF速度の速いボディ+レンズを使っていても、どんな機種でもピントを合わせる間(それは機種によって違います)が有りますから、狙うシーンを予測して、その一瞬前からAF駆動させてピントを合わせてやることが重要。これは、これまで私がこのブログで書いてきた繰り返しになってしまいますが、「言うは易し行うは難し」だと分かっていても、多分それが正論だとは思います。
けれど、では1コマ目をジャスピンにして連写すれば、必ずピントの合った画を量産できるのでしょうか。
作例を載せます。
CANON 1D MarkⅣ+EF300mm F2.8 L IS+EF1.4xEXTENDERⅡ
焦点距離 420mm シャッター速度優先AE シャッター速度 1/1000 絞り 4.5 評価測光
露出補正 -1/3  ISO 2000  AI SERVO AF  RAW 高速連写モード(秒9コマに設定) ノートリミング

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一目瞭然、1コマ目はジャスピン、2コマ目は背景にピントを持っていかれています。しかし3コマ目にはピントは復帰、そして4コマ目もジャスピン。天候は小雨でした。雨の影響も考えられますが、雨粒がほとんど目立たない状況で、このように背景にピンを持っていかれるのは不思議です(雨粒に引っ張られるのなら、どちらかといえば前ピンになるでしょう)。テレコンを使っていた影響というのも考えられます。でも秒9コマです。2コマ目と3コマ目の間には0.125秒しかありません。2コマ目を外したことに気付いたカメラが、0.125秒の超短時間にピンを選手に戻している、しかも狙う選手は2コマ目と3コマ目の間も動いているのに、です。2コマ目&3コマ目を外して4コマ目に復帰と言うのであれば、テレコン使用によるAF速度の低下も考えられるのですが、テレコンに原因を求めるのもちょっと難しいと思います。AFフレームは1点指定で、領域拡大を使っています。被写体に対してAFフレーム合わせが未熟だったのでしょうか。DPPでAFフレームを表示させたものが下の画です。

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1点指定したAFフレーム、しかも領域拡大を使っているのですから、1コマ目にジャスピン出来ていたら、AFフレームを大きく外さない限り、2コマ目がこんなにも簡単に背景にピントが抜けるのは、ちょっと不思議な気がします(被写体追従敏感度は「やや遅い」にしてあります)。しかし、これが現実です。

更に・・・

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サッカー撮影69(それでも捕捉し続ける その2) [サッカー撮影]

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動体撮影で使うAI SERVO AFでは、まず1コマ目をジャスピンにすることが重要。しかし、それができなかった時でも、ピントが来てくれることを半分期待しながら連写すれば・・・、ということを前回書きました。実際のサッカー撮影の現場では、撮影者が100%全ての動きを予想できる訳ではありませんから、そうした経験をお持ちの方も多いのではと思いますし、私自身もそうです。ただ、そうして連写して、ピントが来てくれても、ボツ写真になることは、当然有ります。
作例を下に載せます。
CANON 7D+EF300mm F2.8 L IS
焦点距離 300mm 絞り優先AE シャッター速度 1/1250 絞り F3.5 評価測光
露出補正 -1/3  ISO 320  AI SERVO AF  RAW 高速連写モード(秒8コマ) ノートリミング

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AFフレームは中央1点指定で、領域拡大は使っていません。一目瞭然で、ピンが来た2枚目では、選手がすでにボールを蹴った後で、そのボールすら画面に有りません。これでは私の望む画にはならないです。これは7Dでしたが、1D MarkⅣでの作例も載せておきます。
CANON 1D MarkⅣ+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm 絞り優先AE シャッター速度 1/1600 絞り F3.5 評価測光
露出補正 -1/3  ISO 160  AI SERVO AF  RAW 高速連写モード(秒9コマに設定) ノートリミング

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1D4とて同じです。半分期待を込めて捕捉し続け連写して、ピンが来ることに成功したとしても、実際には欲しい画にはならなかった失敗例です。AF速度の点で、CANONが誇る組み合わせで撮ったとしても、使う側がAF駆動させてピンが来る一瞬の間を作ってやらないといけない、ということでしょう。やはり基本は、予測し、1コマ目にしっかりピント合わせをしてこそのAI SERVO AFだ、連写だ、との結論になりそうです。

1D MarkⅣでの成功例も載せておきます。
CANON 1D MarkⅣ+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm シャッター速度優先AE シャッター速度 1/1000 絞り F4.0 評価測光
露出補正 -1/3  ISO 200  AI SERVO AF  RAW 高速連写モード(秒9コマに設定) ノートリミング

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上記の例で分かるとおり、これは社会人のサッカーですが、秒9コマで連写しても、ボールが画面内に有るのは1コマだけです。欲しいのはその1コマ、残りは削除。3コマ目を撮るための必要な無駄、ということになるかもしれませんが、この画を得るためには、予測し、1コマ目にしっかりピンを合わせ、指定したAFフレームで捕捉し続ける必要があります。

しかし・・・

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サッカー撮影68(それでも捕捉し続ける その1) [サッカー撮影]

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サッカーを撮られている方々には、動体にピントを合わせ続けるAFモード(CANONで言えば、AI SERVO AF)を使われている方が多いと思いますし、それで連写モードで撮られている方も多いと思います。もちろん私もその一人です。カメラ雑誌のテスト記事などでは、このモードを使うと動体に対してかなりの確率でピントの合った画が得られる、との結果をよく見ますが、それは一定方向に一定速度で動く被写体、しかも被写体自体の形が変化しない場合が多いです(たとえば列車や航空機など)。動体と言っても、こういった被写体だと、現在のAFでは常にピントの合った画が有られる確率はかなり高い。しかしサッカー撮影では、そんな一定速度一定方向など稀有で、しかも人間ですから、走りながら手も振るし体形も一定ではありません。たとえプロ仕様の1D系であっても、このAI SERVO AFを使えば狙った被写体に100%ジャスピンし続けるというものでもない、ということ、も実戦の場で体験されていると思います。
CANONでいう、このAI SERVO AFのアルゴリズムは、多くのプロからのフィードバックと技術者の研究成果の積み重ねによって年々進化していて、現行機の1DXではかなり進歩した、との記述も見られます(あいにく私はオーナーではないので、断定はできないのですが)。それでも私は、未だ100点満点だとは思えませんし、100点満点になってしまえば、撮影者の経験やスキルに関係なく、オートマチックにピントの合った写真が100%撮れることになるでしょう。それはそれで面白くはないのかもしれませんが、自動車のATと同じように、時代はそういった方向に進んでいくものと思われます。この点を、今回から少し触っていこうと思います。

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CANONで言うAI SERVO AFは、まず最初に撮影者自身が狙った被写体にきちんとピントを合わせてやる必要が有ります。それは撮影者が、「コレを撮りたい」というカメラに向けての意思表示であり、それを受けてカメラ側が動く被写体(つまりは撮影者と被写体との距離が常に変化する)に対して、ピントを合わせ続けようとします。最初にしっかり狙った所にピントが来ていないのに連写すれば、撮影者にとってピンボケ(カメラはピンボケとは思っていないだろう)の量産につながることもあります。しかし、実際のサッカー撮影の現場では、思いがけない動きや突然飛び込んでくる良シーンなど、撮影者が完全に予測できるはずもなく、かといってそれを撮り逃がすのも惜しく、シャッターを切ってしまう(連写してしまう)ことはあるかと思います。
恥ずかしながら、作例を下に載せてみました。撮影者に対して向かって走ってくる選手の4連写です。ちなみに、撮影データを記しておきます。
CANON 1D MarkⅣ+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm 絞り優先AE シャッター速度 1/1600 絞り F3.5 評価測光
露出補正 -1/3  ISO 160  AI SERVO AF  RAW 高速連写モード(秒9コマに設定)

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選手は全速力で走っていないこと、シャッター速度が1/1600であることを考えれば、被写体ブレは無いと思ってよいでしょう。ちなみに、AFフレームは任意の1点指定で領域拡大を使用しています。DPPにて表示させたものが下の画です。

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この4枚はノートリミングですが、ブログに載せるためにサイズダウンしてあります。これでは分かりにくいので、少し拡大してみましょう。

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シャッターを切った1枚目では、AFフレームの合わせ方も未熟ですし、それ故に狙った被写体にピントが来ていません。慌ててシャッターを切り始めた感じが見受けられます。本来、AFフレームを狙った所に合わせ、駆動させ、ピンが来たことを確認してから撮っていけば、1.2枚目はこうならなかったはず。AFが狙った被写体にピント合わせをしている前から連写を始めたが故に、ジャスピンが4枚目という結果になった、と推測されます。ちなみに、分かりにくいかもしれませんが、3枚目はジャスピンではありません。この4連写で使える画は4枚目のみで、他はボツ(削除)ですね。
CANONでいう、ONE SHOT AFでは、通常は合焦しないとシャッターは切れないですが、AI SERVO AFでは合焦せずともシャッターは切れますので、こうなることもあります(もっと醜い結果になることもあります)。ただこの作例から考えれば、AF駆動が遅れたけど、連写しながらでもAFフレームで狙った被写体を捕捉し続ければ、ピンは来る、ということになります。
しかし・・・

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