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サッカー撮影44(背景を考える その1) [サッカー撮影]

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昨年末のキヤノンフォトコンテスト受賞の際に、選者の先生方から「背景がきれいすぎる。背景に何もないから物足りなさを感じる」とのコメントを頂いたことを、このブログでもご報告しました。上の写真がその受賞作です(主催者さまから掲載の許可をいただきました。縦横比はプリントサイズのままで、リサイズしてあります)。
さて今回のテーマは、この背景についてです。

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上の写真は、ある小学生の大会で撮った一枚です。ちなみに、撮影データを記しておきます。
CANON 1D MarkⅣ+EF300mm F2.8 L IS
焦点距離 300mm(換算約390mm) シャッター速度優先AE シャッター速度 1/1000 絞り F4.5 評価測光
露出補正 -1/3  ISO 100  AI SERVO AF  RAW ノートリミング
私が撮りたかったのは、中央の緑ユニフォームの選手なのですが、背景には保護者や大会関係者などが雑多に写っています。パッと見、何を・誰を撮りたいのかはっきりしません。私はこれまで、こういった写真は勧めてきませんでした。主題がはっきりしないからです。この画を大胆にトリミングしたものが、下の画です。

サッカー44-02.jpg

ピントはしっかり狙った選手に来ています。これだと、何を撮りたかったのかはっきりすると思いませんか。

もう一例載せます。これも、別の日に撮った小学生の大会での一枚で、ノートリミング。撮影データを記しておきます。
CANON 1D MarkⅣ+EF300mm F2.8 L IS
焦点距離 300mm(換算約390mm) 絞り優先AE シャッター速度 1/1000 絞り F3.5 評価測光
露出補正 -1/3  ISO 100  AI SERVO AF  RAW ノートリミング

サッカー44-03.jpg

これも、以前書いたことが有る「サッカーをしている風景」です。私が狙っているのは、中央の紺色ユニフォームの選手である事は分かっていただけると思いますが、その選手を中心に大胆にトリミングしたものが、下の画です。

サッカー44-04.jpg

背景の煩雑さが幾分か解消されて、サッカー選手のプレイ中のシーンとして見られる画だと思います。こうしてトリミングをして、画の中で主題を大きくすれば、必然的に背景部分が小さくなり、背景を整理することができます。以前から私が、被写体である選手をなるべく大きく撮ることを勧めてきた理由の一つに、この背景の煩雑さを整理する理由があります。だからといってトリミング前提で撮る事は、今まで通りお勧めしていませんが。
また、サッカー撮影とは殆どの場合、サッカー選手のプレー中の撮影である、と言い続けてきました。人物撮影(ポートレート)なのですから、主役はその人物(サッカー選手)であって、背景は出来る限り主役の邪魔にならないよう、排除するかボカスかして、目立たなくする方向で撮ってきましたし、その旨をこのブログでも書き続けてきたと思います。主たる被写体の妨げとならぬよう、引き立てるように、との意味です。
下の4枚の画をご覧ください。この4枚はいづれも、僅かですがトリミングしてあります。

サッカー44-05.jpg

サッカー44-06.jpg

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撮りたい選手の撮りたい瞬間はしっかり押さえてあります。ピントも来ています。けれど、トリミングしても背景に映っているのが駐車場の車というのも、サッカー写真としての緊張感に欠けるように思えます。こんな背景なら、いっそ無い方がイイと思われるかもしれません。主題をしっかり撮ったとしても、背景によるプラス効果・マイナス効果が有ると思われます。
では、下の画はどうでしょう。

サッカー44-08.jpg

この写真はナイターでの試合の際に撮影したもので、背景は闇です。故に、選手とボールしか写っておらず、下が人工芝ということもあって、ともすれば、まるでスタジオかどこかで撮ったようにも見えます。ポートレートとしては合格かもしれませんが、実際の試合中のシーンとしては、リアリティに欠く、との評価が出そうです。もっとも、そう言われても、実際の試合現場(公式戦です)がこうなのですから、カメラマンとしてはどうしようもない事なのですが。

サッカー44-09.jpg

サッカー撮影は、広いグランドを常に動き回っている選手を撮る事です。試合中は、ボールと選手は常に動き続けますから、それを狙ってレンズを振り、撮影場所を移動したりします。また昨今は、撮影場所を厳しく指定されるケースも多いです。それは基本的に、背景を選べない、ということです。「この場所から、この角度で撮れば、背景が煩雑にならずに済む」「背景が効果的に作用しそうだ」そう思ったとしても、その場所に行けなかったり、その場所でのプレイだけを撮ってはいられないのがサッカー撮影です。しかし、だからと言って、背景に無配慮なのも、上達の道を妨げるように思えます。

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小学生サッカーだと、小学校のグランドで試合が行われることもよくあります。背景に遊具だったり、花壇だったり、隣家だったりが写り込んで来ることもあるでしょう。確かにそれらは、その場所で試合が行われた証左にはなると思うのですが、それらサッカーとは何ら関係ないものが背景に有っても、サッカー写真としてプラス効果を生むとは考えにくい。それならば(背景が選べるのなら)、いっそシンプルな方が良いと思ってしまいます。

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