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敗れても、出れなくても [サッカーあれこれ]

高円宮杯全日本ユース(U-15)サッカー選手権大会は、第3種登録の中学生年代での大会で、中学校の部活動チームとクラブチーム全てが、分け隔て無く参加でき、都道府県予選→地域予選→全国大会まである、この年代としては最も大きな大会です。毎年この時期に、年末の全国大会に向けての予選が各地で行われているのですが、公式戦としてはこれが最後という場合も多く、敗退は即、受験・進学方面への切り替えを意味します。愚息2号の所属するクラブチームも、当県の代表として東海大会に出場しましたが、残念ながら昨日敗退となってしまいました。

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15歳以下という中学生年代では、やはりJリーグチームの下部組織チームが強く、1991年の東海大第一中学校の優勝以降、この大会の優勝は全てクラブチーム。ここ最近では、ベスト4にさえ中学校チームが進んだことがありません。この結果を見て、本気でサッカーするならクラブチーム、と結論付けてしまうのは早計で、次の高校年代に於いては、高校サッカー部の中にもクラブチームと対等に戦える学校も有ったりします。この15歳以下の中学年代というのは、義務教育期間中でもあり、またサッカー選手としても育成途上のはずですから、結果=勝利が全てという訳ではないと思いますし、そう考えて指導に当たっている監督・コーチの方々も多いのではないでしょうか。でもまあ、小学生よりも多少自立心が有るとはいえ、まだサポートする保護者の役割も無しではなく、その側から見れば、試合となれば勝って欲しいし、より大きな大会で上位に行って欲しいと望むのも、やっぱり自然なことですよね。
今ほどメジャーなスポーツではなかったサッカーを、協会が強化するに当たって第一としたのは、底辺の拡大です。その意味で、全国的にこの年代でクラブチームが多くできた事は、良い方向だと思えます。けれど、その全てが勝利至上主義のチームでなければならない、ということは決してないと思います。
以前、愚息1号がこのチームに所属していた時(今から6年前)、同僚だった子がいます。その子は決してサッカーが上手くはなく、このクラブチームに入団して卒団するまで一度も公式戦に出たことが無く、3年間ずっと俗にいうBチームで過ごし、公立高校に進学しました。そしてその後、ある大会のグランドで写真を撮っている私に、「お久しぶりです」と声をかけてくれました。中学生当時は内気で、そんなに深い付き合いでもない大人の私に声をかけるなんて、到底信じられない子でしたが、その時私は凄く嬉しかったです。その彼は幼さも無くなり、背も高くなり、実に立派な高校生に見えました。そして腕には、キャプテンマークが付けられていました。「いや~、恥ずかしいですが、2年生の時からオマエがキャプテンやれと言わちゃって」と気恥ずかしそうに言ったのを、今でもはっきり憶えています。結局その日、彼のチームと愚息1号のチームが対戦し、0-7の大差で彼は敗退したのですが、何点取られてもチームメイトを叱咤激励していた彼の姿は、力及ばずとも実に爽やかなスポーツマンらしい姿に映りました。そして、彼のあの中学3年間は決して無駄ではなく、仮に今後も優勝には縁遠くても、生涯サッカーというスポーツに親近感を持っていてくれるだろうと、私は確信しました。Jリーグや日本代表に選手を送り出すチームも凄いですが、そうではなくてもこうした、サッカーを親しむ、楽しむ、身近に感じる、という人達を増やしていくことも、実は大切な事だと思った次第です。
昨日の敗戦をもって、愚息2号とそのチームメイト達は、このチームでの公式戦が無くなりました。次のステージは、今よりもっと険しいかもしれません。けれどまた、どこかで会ったら、「お久しぶりです」と声をかけて欲しいなあと思いました。今、眼の前に整列している子達も、この試合のメンバーに選ばれなかった子達にも。

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