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サッカー撮影14(Tv or Av その4) [サッカー撮影]

サッカー撮影においての設定を、絞り優先(Av)・シャッター速度優先(Tv)を中心に考えてきたが、今回で一区切りとしたい。

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被写体である選手も、撮影時の露出も、動き・変わる状況での撮影を余儀なくされるのがサッカー撮影。私は、Avで撮ることも、Tvを選択することも、ISO AUTOを使うこともある。よって、私の結論としては、「コレでないといけない」というものは無いと思うし、「コレなら大丈夫」という鉄板の設定も無いと思う。それじゃあ、何のためにこんなに長々と書き綴ってきたのか、とお叱りを受けそうだが、私がここで言いたいのは、皆さんが立ち向かっているサッカー撮影が、それだけ状況変化に富み、作画意欲を加味しようとすればするほど難しい、ということ。安易に設定を真似るだけで、思うような画が撮れるほど甘くはない、ということ。そして少なくとも、AvやTvやISO AUTOなどのモードの意味と、絞りやシャッター速度などのパラメーターが変化することによる効果を理解した上で、撮影環境(光量およびその変化、撮影場所の移動の有無など)や撮影意図に従って、適宜取捨選択しないといけない、ということ。

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現在のデジタル一眼は、ドンドン高機能になってきている。変化するパラメーターを一つ一つ、その上限・下限を設定できる機種もあったり、どうしても適正露出が得られない場合、カメラが勝手に設定値を超えて可変させる機能があったり、いや機種によっては無かったりで、単純な「Av or Tv」の話にならない事もあり、なかなか難解なのが、現在のデジタル一眼だ。これまでは私の使っているキヤノン機での話を続けてきたが、他メーカーの機種では別の機能が有ったり無かったり、別の名称が付けられていたりするだろう。それらを理解し、その場・その時に取捨選択できるスキルが、サッカー撮影には求められていると思う。
「何だか難しいそうだなあ」と尻込みされるなら、カメラなど手にせず、応援に専念される事をお勧めしたい。しかし、あなたが今撮ろうとしているサッカー選手たちは、スパイクを履いてユニフォームを着ただけで、試合に出れたのだろうか? 決して短くない時間を費やして地道に練習し、その実力を認められたからそのピッチに立っているのではないだろうか? 「上手くなりたければ練習しなさい」と、ご自分のお子さんに言った経験は無いだろうか?

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間違いなく、サッカーを撮るためには、デジタル一眼レフカメラが適していると思われる。そして、この被写体を思うように撮るには、その機の持つ機能を充分理解した上で、その時の状況に合わせ、撮影者の求める画に合わせ、自身で選択していく必要があると思われる。取捨選択するためには、まず理解しなければならない。正しい選択をするためには、経験も必要となるかもしれない。最初から上手くはいかないかもしれない。それでも、頑張っている選手たちと同様、ぜひこのチャレンジングな被写体に向かってほしい、と私は思っている。メーカーの言葉を受け売りさせていただければ、「趣味なら本気で!」と。

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最初の話に戻ります。サッカー場の片隅で、「どういった設定で撮ってますか?」と声をかけられました。その時は簡単に答えてしまい、怪訝な顔をされてしまいましたが、キチンと説明しようとなると多くの文字数と時間が必要、という事なのです。あの時私に問いかけてくださった方、どうかコレを読んで下さる事を願いつつ、お許しを賜りたいと思っています。

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サッカー撮影13(Tv or Av その3) [サッカー撮影]

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例えば。
チーム撮りをしていて、その試合に出場した自チームの選手たちの写真を、なるべく多く残したい場合。一試合で多くの選手を撮るということは、一人の選手当りの撮影枚数は少なくなることを意味する。被写体となる選手が遠くて、多少小さくても、ジャスピンならトリミングで対処できるが、避けたいのが、ブレ写真を量産すること。ただでさえ一人当たりの枚数が少ないのに、ブレでボツ写真があると、その子の使える写真が無くなってしまったりする。1/800で撮っているつもりが、状況変化で一時的にせよ1/250に落ちてしまった事に気付かないと、肝心なシーンで被写体ブレということもあるからだ。元々が1/800で撮っているつもりでいると、手ブレをそれほど意識していないので、こうした場合に手ブレも起きやすい。逆にSSが上がって、1/1250になってしまった、ということなら、大した影響はなかったかもしれない。

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撮影者の意図を重視した「作品」狙いの場合もあるだろう。躍動感を狙って選手のブレた写真を撮ってみたい。ドリブルの際には背景が流れた写真が撮ってみたい。そんな時は、遅いSSで撮ることを想定してカメラを構えているので、意外と手ブレには気を使って撮っていたりする。背景をできる限りぼかして、狙った選手を際だたせて撮りたい。そんな場合、開放F値付近を使っていて、被写界深度が浅い事を承知で撮っているので、意外とピント合わせに慎重になっていたりする。いづれの場合も、カメラ側が勝手にISOを上げてSSやF値を変化させてほしくないだろう。

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サッカー撮影は変化する状況下での撮影と、前回書いたが、何もそんな状況ばかりとは限らない。サイドラインに沿って両チームの選手を撮る場合は、レンズを180度近く振っての撮影を余儀なくされる。しかし、ゴールライン付近に陣取り、一方のチームのみに狙いを定めた場合、レンズを振る角度は90度にも満たない。そうなると、極端な光量変化は少なくなる(ハーフタイムになるまでは)。選手の影がほとんど出ないような完全な曇天で、レンズを左右に振ってもパラメーターの変化が殆ど無く、しかも試合時間中はそれが保たれると予想される場合もある。そうした露出変化が少ない場合は、どのモードを使っても大差ないし、それならばと、撮影者の作画意欲を重視した画を狙う、ということも当然有りうる。
日が傾き、光量が少なくなってきていることに気付いても、プレーが続けられている限り、シャッターチャンスを逃すまいと、選手を追い続ける。そして開放F値でも適正露出が得られなくなった時、ISOを上げること迫られる(ISOオートやISOセイフティシフトを使っていない場合)。ただサッカーというスポーツは、プレーがほぼ途切れず続けられる。アウトボールになって、プレーが次に止まるのが何時なのかも予想できない。えてして、フッとレンズを下ろし、ファインダーから眼を離した隙に、貴重なゴールシーンが生まれたりするもの。こうした光量変化しても、試合終了まで選手の動きに集中できる設定の方が良かったのか、と後悔したりする。

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もちろん、ファインダー内に表示されるF値やSSを常に気にしながら、常に調整しながら撮影すれば良いのかもしれないし、失敗したくなければそうすべきだと思う。しかし、サッカー撮影において私が重要視しているのは、二度と訪れない一瞬のチャンスを、確実に切り撮ること。パラメーターを注視し続けるより、グランド内に散らばった宝石を探す嗅覚の方に、より多くの神経を割きたいところだ。前回書いた、能動的選択と受動的選択、状況と意図に応じて、そのバランスを考えながらの撮影を余儀なくされるのがサッカー撮影、といったところだろうか。

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サッカー撮影12(Tv or Av その2) [サッカー撮影]

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ISO400・F5.6・SS1/500で適正露出の画は、Avで撮ろうが、Tvを選択しようが、ISOオートを使っても使わなくても、同じ画。そのパラメーターで満足なら、どのモードを使っても構わない。ただ、F5.6で撮ったが、被写界深度を深めたF8.0やF10でも撮っておきたい、とか、1/500で撮ったが飛沫をもう少し鮮明に撮っておきたいので、1/1000の写真も残しておきたい、という、撮影者に趣向や意図が生じた場合に、そういったパラメーターをダイヤルをちょっと廻すだけで変化させやすいモードを選ぶ、という選択に、実際にはなるのではないだろうか。つまりは、絞り(F値)の変化によるボケと被写界深度の選択、使用レンズの解像&シャープネスなどのコントロール(開放F値は使いたくない、回折現象にならないように、など)、シャッター速度(SS)の変化によるブレの防止&活用、これらの要素を写真表現の手法として利用しようとする、積極的な意思によるモード選択だろう。これは、撮影者自身の能動的な選択だと思われる。

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もちろん、サッカー撮影においても、こうした意図での選択はある。しかし根本的に、サッカーの撮影は動体撮影。以前の「記憶色」のところでも述べたように、秒単位での光の状況変化が避けられない場合が珍しくない。いや、広いグランドに立ち、レンズを左右に振りながら撮影するのだから、各パラメーターが変化するのは当たり前なのだ。それに加え、グランドの半分近くが影で覆われている事もあろうし、夕方の光量変化する時間帯での試合もあるだろう。晴天だと思っていたのが、急に雲がかかったり、曇天から一時的に日が射すことも、ボールの行方によって順光・逆光が目まぐるしく変わることなど、よくあること。こうした、その時その場で変化する状況を前提に撮らなければならないのがサッカー撮影だとするならば、どのモードを使おうとも、F値やSSの変化は避けられない。避けられないのであれば、いったい何が変化して欲しくないのか、何が多少変わっても許容できるのか、を見極めなければなるまい。

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広いグランド内を不規則に動き回る被写体を、画角の狭い望遠レンズを使って追い、捕捉し、チャンスを狙うというのだ。変化するパラメーターにばかり注視するわけにもいかず、どちらかと言えば、それよりも被写体である選手とシャッターチャンスの方に、より神経を割きたいサッカー撮影では、変化するパラメーターが、撮影者自身の許容範囲に留めていてくれる設定を選びたいことが多い。撮影者の意図を写真表現に加える能動的選択に対して、条件が変化しても撮影者の意図を維持するための、こうした受動的な選択を強いられる。
そして実はこの、能動的・受動的、両方のバランスを考慮しながら、その場その場で設定を合わせていくのが、サッカー撮影だと私は思っている。

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サッカー撮影11(Tv or Av その1) [サッカー撮影]

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昨今サッカー場に行くと、デジタル一眼レフカメラで熱心に撮っていらっしゃる方を見かけるようになりました。以前は私など、その場では異端児のように見られたものですが、最近はそうでもなくなってきたようです。そんな方々と話をする機会があると、必ず出てくるのが、「どういった設定で撮ってますか?」という質問。「やっぱりシャッター速度優先ですよね、それとも絞り優先ですか?」と。私はどちらでも撮りますよ、と答えると、「はぐらかされた」「秘密にしているのか」「教えないつもりだな」という表情をされることが、たまにあります。私はそんなつもりではないのですが、今回はこの点をちょっと考えてみたいと思います。
(あくまで私の使っているキヤノン機での記述ですので、他メーカーや他機種では該当しない場合もあります。その点はご了承ください)

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デジタルカメラに於いて、適正露出を決めるパラメーターとして、絞り・シャッター速度・ISO感度、という3つがあることは、ご存じの方がほとんどだと思う。適正露出とは?、各パラメーターの変化による写真効果は?、という点は、この際割愛させていただくとして、従来の銀塩時代では使用するフィルムで決められていた感度が、デジタルになって一枚一枚自由に設定できるようになったこと、そしてそれをカメラ側に任せてオートとすることができるようになったことが、デジタルになって大きく変わった点だ。
可変するパラメーターが3つだと、
A.3つとも撮影者自身が決めて撮る
B.2つを撮影者自身が決め、残りの1つをカメラ任せ
C.1つを撮影者自身が決め、残りの2つをカメラ任せ
D.3つともカメラ任せ

という、4種類の設定方法があると思われる。Aは完全マニュアル撮影。これは知識も力量も経験もお持ちの、どちらかといえば熟練者向け設定、逆にDはカメラ側に全てを任せる全自動撮影で、難しいことは考えずに失敗しにくいと思われる初心者向け設定(失敗しにくいといっても、サッカー撮影では大抵これでは失敗するのだが)、と言えるだろう。いづれにしても、Aで撮る方・Dで満足の方には、これ以降の私の記述は無用のものだと思われる。

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さて、Bについてだが、パラメーターが3つだと、以下の3種に更に分けられる。

a.ISO感度と絞りを撮影者自身が指定して、シャッター速度は適正露出になるように、カメラが随時可変する。これは、任意のISO感度に設定して、絞り優先モード(Av)で撮る、ということ。
b.ISO感度とシャッター速度を撮影者自身が指定して、絞りは適正露出になるように、カメラが随時可変する。これは、任意のISO感度に設定して、シャッター速度優先モード(Tv)で撮る、ということ。
c.絞りとシャッター速度を撮影者自身が指定して、ISO感度は適正露出になるように、カメラが随時可変する。これは、(キヤノンで言うなら)マニュアルモード+ISOオートで撮る、ということ。

3つのうち2つを任意の値に固定し、その値に応じて(適正露出を得られるように)、もう一つのパラメーターをカメラ側に任せる、というのは銀塩時代から慣れたことだし、比較的分かりやすいと思う。

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次にCについてだが、同様に以下のように3種に分けられる。

a.ISO感度を撮影者自身が指定して、絞りとシャッター速度は適正露出になるように、カメラが随時可変する。これは、全自動モードではISOが自動になってしまうので、プログラムAEでISOを指定して撮るということになるでしょう(プログラムシフトがあるが)。
b.シャッター速度を撮影者自身が指定して、絞りとISO感度は適正露出になるように、カメラが随時可変する。これは、シャッター速度優先モード(Tv)+ISOオートで撮る、ということ。
c.絞りを撮影者自身が指定して、シャッター速度とISO感度は適正露出になるように、カメラが随時可変する。これは、絞り優先モード(Av)+ISOオートで撮る、ということ。

3つの可変パラメーターのうち、2つを固定すれば自ずともう一つの値が決まるというBについては比較的分かりやすいのだが、Cについてはちょっと難しい。可変するパラメーターの2つをカメラに任せて適正露出を得るということは、複数の組み合わせがあって、どれが選ばれるかはカメラが判断するということで、撮影者の意向と必ずしも一致しない場合もあるからだ。例えば、ある屋外撮影において、ISO 400・絞り F5.6・シャッター速度(SS)1/500で適正露出が得られるとする(Ev12)。 これと同じ露出を得る組み合わせは、
ISO 100 ・F2.8・SS1/500
ISO 100 ・F5.6・SS1/125
ISO 100 ・F8.0・SS1/60
ISO 200 ・F2.8・SS1/1000
ISO 200 ・F5.6・SS1/250
ISO 200 ・F8.0・SS1/125
ISO 800 ・F2.8・SS1/4000
ISO 800 ・F5.6・SS1/1000
ISO 800 ・F8.0・SS1/500
などが考えられる。
現在の電子マウントになったカメラは、レンズ側からのデータも加味し、あまりにかけ離れた組み合わせを選ぶようにはしていないと思われるが、それとてその時の撮影者の心理や意向を読みとる能力が有るわけではないので、常に撮影者の望む組み合わせが得られる保証はない。よって、3つのパラメーターの2つをカメラに任せるというCに関しては、不確実性が加味されるようで、私的にはあまりお勧めしたくない。
こう考えていくと、露出関係だけでも、実に様々な設定&組み合わせがあることが分かる。

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