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イヴ [巷の雑感・時の想い]

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「明日はクリスマスだね」
「違うよ、明日はクリスマスイヴ。25日がクリスマスなのよ」
ちょうど行ったスーパーマーケットで、そんな親子の会話が聞こえた。確かに、この時期だけキリスト教信者になる日本人の我々にとって、クリスマスといえば24日のイヴの夜を、まずもって連想する事が多い。イヴ(eve)とは、「evening(夜・晩)」の意味らしいのだが、この12月24日の夜こそがピークで、本来の25日には「終わった感」がどうも漂っているような気がしてならない。せっかちな日本人らしい、といえばそうなのかもしれない。
日本の祭りでも「宵山」という前夜祭があるくらいだから、イヴがそれにあたるとも考えられる。しかし、前夜祭が本祭に勝ることはなく、どうもそれをクリスマスに当てはめるのも無理があるような気がする。多分に商業的な意味合いで広まったクリスマスだから、事前に物を売る商戦のピークであるイヴこそが、クリスマスというイベントの日として、日本人に植え付けられたから、と考えれば、納得いくのかもしれない。
随分前の曲で、歳が分かりそうなのだが、荒井由実(松任谷由実)の「14番目の月」という曲をご存じの方、いるだろうか。

次の夜から 欠ける満月より
14番目の月が 一番好き

そんなフレーズがある。明日こそが最高だから、それが分かっているから、今日は心置きなく楽しめる。だってその明日になってしまえば、後は落ちるだけ。それに気付けば、もう楽しむ心の余裕が萎えてしまう。今が最高と思えば思うほど、明日からが不安に思えてしまうのも、心配性の日本人らしいということなのだろうか。
もう今年を振り返る時期である。今年のピークはいつだったのだろう、そのイヴは楽しめたのだろうか。月の満ち欠けのように、定まった道の無い我々の人生。明日の切先の向く方向さえままならない小舟に乗っている身としては、イヴなんて楽しむ余裕も無く、知らぬうちに過ぎ去ってしまう。せめて万人に等しく刻まれる時の記念日ぐらいは、イヴを楽しみたいものだと、この年の瀬に思ってしまう。今日がイヴでありますように、と。明日が今日よりも良い日でありますように、と。
クリスマスイヴがピークなのは、実は翌日が本来のクリスマスの日だから、である。

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