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サッカー撮影75(それでも捕捉し続ける その8) [サッカー撮影]

連写中のAI SERVO AF でのピント合わせについての私的考察、随分長く書いてきましたが、今回で一区切りとさせていただきます。

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このキヤノンで言う動体撮影向けのオートフォーカス(AF)、AI SERVO AFの使い方については、メーカーの取扱説明書には通り一遍の簡単な説明書きしか無く、ホームページや市販の解説書などでは作例を交えながらもう少し詳しく書かれているのを見ますが、失敗例などは無く、よってこのAI SERVO AFを使ってピンボケ・ピンズレの画を連発させてしまうと、自分の腕が悪かったのか、設定が間違っていたのか、機械的な不具合があるのか、などと悩んでしまうことも多いのではないか、というのがこの記事を書く発端になりました。そして、冒頭に書きましたように、「ことサッカー撮影に於いては、現在のAI SERVO AFは100点満点ではない」という結論から始めて、作例を交えながらここまで書いてきました。その際、これまで私の撮った写真の中から、多くの失敗例を載せてきました。本来私は、使えない写真・必要とならないであろう画は残さない主義で、即座に削除してしまい、こうして後で書こうにも残っていないのが通例です。しかし今回は、この記事を書くと決めてから意識的に取っておきました。なので、今回の失敗例は全て、今年撮った写真ばかりです。
ただこうして載せてみると、1D4であれ7Dであれ、キヤノンのAI SERVO AFがまるでダメかの印象を与えてしまったのではないか、との危惧もあります。実情は逆です。不規則に動き回るサッカー選手を相手にして、ピントを常に合わせ続けようとするAI SERVO AF。秒8コマにせよ秒10コマにせよ、最初のピント合わせの速度&精度、ピントを外した際の復帰速度、ジャスピン率などは確実に進歩していると思いますし、優秀だと思っています。最後にその例を載せたいと思います。いつものとおり、撮影データ記しておきます。
CANON 1D MarkⅣ+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm 絞り優先AE シャッター速度 1/1250 絞り F3.5 評価測光
露出補正 -1/3  ISO 125 AI SERVO AF RAW 高速連写モード(秒10コマに設定) 領域拡大使用

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ノートリミングの8連写です。DPPにて指定したAFフレームを表示させ、それを中心に拡大したものが、下の画です。

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全8コマともジャスピンです(最後の8枚目はちょっと甘いかな)。状況的に、手前に入る障害物となるであろう選手も現れず、背景もシンプルという好条件だったことも要因だと思います。それでも背景を見てわかるように、レンズを振っての撮影ですし、選手は8コマ中動きを止めてませんし、指定したAFフレームの被写体への当て方も、これまで載せた失敗例と比べて特に厳密という訳でもなく、それでもちゃんとAFは仕事をこなしてくれています。私が8連写をするのは稀ですが、私の中でのAI SERVO AFへの信頼は、実はこれが普通であります。

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さて、長くなったこのシリーズでの結論を出さなければなりません。AI SERVO AFでサッカー選手を連写する場合、
・1コマ目のシャッターを切る前からAF駆動させて、狙う選手にピントを合わせ、1コマ目をジャスピンにするのが大前提
・そうして1コマ目をジャスピンにできたとして、それでも、その後にピンを外すコマが出てくる時がある
・1コマ目をジャスピンにできなくても、AFフレームでしっかり狙いを捕捉し続ければ、それでも、ピンが来る時がある
・連写中にピンを外しそうな時、外した時、それでも、しっかりAFフレームで捕捉し続ければ、再測距でピンが来る
・サッカー撮影において、現在のAFは100点満点ではない。それでも、AFフレームで狙う選手を捕捉し続けることが絶対の必要である
今回のタイトル、「それでも捕捉し続ける」の「それでも」という意味がご理解いただけたでしょうか。未熟な文章ゆえ、分かりにくかったり誤解を招いたこともあったかもしれません。「それでも」これが皆様のサッカー撮影の少しでもお役に立てれば、筆者として望外の喜びです。
長文失礼しました。

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サッカー撮影74(それでも捕捉し続ける その7) [サッカー撮影]

はっきり言って、この話題でここまで長くなるとは思いませんでした。今回と次回で終わりにしようと思っています。お付き合い頂いている方、もうしばらく我慢してください。

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今回これまで、私の撮った失敗例を多く載せてきましたので、キヤノンのオートフォーカスってダメ、との印象を与えてしまったかもしれません。私の印象は逆で、キヤノンのAFは優秀だと思っていますし、それだからキヤノン使っています。ただ、サッカー撮影という難解な被写体相手では100点満点ではない、ということを書きたかっただけです。1日に1000枚撮って、1000枚とも全てジャスピンとはいきません。それでも、私は10年以上サッカーを撮り続けて、機材も変更してきましたが、その進化の度合いを感じますし、現在の手持ち機材のジャスピン率には満足しています。
さて今回は、そのジャスピン率を上げる有効な方法として、「再測距」を提案したいと思います。「指定したAFフレームを狙う選手に合わせて連写すれば、ジャスピンの画が量産できる」それはこれまで作例を挙げたように、如何に優秀な機材を使っても、必ずしもそうではない場合もあるのがサッカー撮影。ではピントを外しそうになったら、AFフレームで捕捉するのが難しくなったら、カメラに再度測距させてみる、という術は有効だと思われます。いや、「再度測距させる」という表現は間違いですね。AI SERVO AFは常にピントを合わせ続けようとして、再測距を連続して行うモードですから。その連続性を一旦リセットして、再度測距の連続性を行わせる、と言った方が、この場合の「再測距」の意味としては適切ですね。
作例を載せます。いつものとおり、撮影データ記しておきます。
CANON 1D MarkⅣ+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm 絞り優先AE シャッター速度 1/1250 絞り F3.5 評価測光
露出補正 -1/3  ISO 250  AI SERVO AF  RAW 高速連写モード(秒10コマに設定) 領域拡大使用

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この4枚の写真はノートリミングですが、Exifデータを見てみると、4枚とも15:29:08になってますので、1秒以内の4枚であることが分かります。しかし、背景から分かるように、2コマ目と3コマ目には明らかに「間」が有ります。これは、2コマ目で外したことを感じた撮影者が、一瞬連写を止め、再測距して連写をした結果です。再測距は、シャッター半押しでAF駆動に設定している場合は、一瞬シャッターボタンを全上げして再度押す、親指AFをお使いの方は、背面のAF-ONボタンを一瞬離して再度押す、という操作です。この「一瞬」は短ければ短いほど良いでしょうが、撮影者の反射神経に左右されるでしょうし、何よりその間もAFフレームで狙う選手を捕捉し続けていなければ意味がありません。
もう一例載せます。今度は7Dです。
CANON 7D+EF300mm F2.8 L IS
焦点距離 300mm 絞り優先AE シャッター速度 1/1600 絞り F3.5 評価測光
露出補正 -1/3  ISO 100  AI SERVO AF  RAW 高速連写モード(秒8コマ) 領域拡大は未設定

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この4連写も1秒以内ですが、2コマ目と3コマ目に「間」が有ることは分かって頂けると思います。1コマ目以前から狙う選手は捕捉していたのですが、前進したので味方選手が間に入ってきて、ピンが持っていかれました。そこで、一瞬AF駆動を止めて再測距して連写した、という訳です。

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フィルム時代とは違ってデジタルですから、何枚撮ってもコスト増になることはありません。フィルムエンドになってフィルム交換に手間を掛けなければならないこともありません。良いと思えるシーンを10連写、20連写することも可能です。ただ私は、そうして闇雲に連写で枚数多く撮るより、意識的に狙いをはっきりさせて撮ることの方が、良結果に結びつく、という経験を、これまで多く持っています。10連写するぐらいなら、3連写を2回の方が、といったように。もちろんサッカー撮影での全てのケースに該当するとまでは申し上げられませんが、撮りたかったシーン、残しておきたい画というのは、一連の流れの中でも1コマ、2コマだったりします。そのコマをジャスピンで得る確率を上げるために、「一瞬の再測距」を間に挟むことは有効な術だ、と私は経験的に感じています。
秒9コマならコマ間は0.125秒です。1コマ目にジャスピンを得たとして、0.125秒後の被写体の位置を予測して、AI SERVO AFはピント面を駆動させます。そこでもジャスピンを得られるかもしれませんが、僅かに外す可能性も有ります。けれど、その0.125秒後にはまたジャスピンが得られるなら(それはこれまでの作例で示しました)、それは優れたAFだと思います。撮影者がAF駆動を一瞬止めて再駆動させる間は、練習を積んでも多分0.125秒よりも長いでしょう。カメラの性能に任せた方が良い結果を招く場合も、もちろん有ると思います。それでも私は、この「一瞬の再測距」は憶えておいて、必要に応じて使ってみて損は無い、と思います。

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サッカー撮影73(それでも捕捉し続ける その6) [サッカー撮影]

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更に続けます。今回は5連写です。
いつものとおり、撮影データ記しておきます。
CANON 1D MarkⅣ+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm 絞り優先AE シャッター速度 1/1250 絞り F3.2 評価測光
露出補正 -1/3  ISO 500  AI SERVO AF  RAW 高速連写モード(秒10コマに設定) 領域拡大使用

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今回の5連写もノートリミング画像ですが、ブログに載せるためにはサイズダウンしなければなりません。これではなかなか分からないと思いますので、指定した1点AFフレームを中心に拡大したものが下の画です。

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これでもまだ分かりにくいでしょうか。まず今回の5連写は、ピントが来たことを確認してから連写を開始しました。なので、1コマ目はジャスピンです。選手はその間動いていますが、2.3コマ目もジャスピン。しかし、4コマ目では微妙に外し、5コマ目ではピントがズレています(後ピン)。この連写で4&5コマ目は使えない画、削除対象です。前回のように、撮影者と被写体との間に割り込む選手も無く、背景にもそれほど引っ張られる要素も少ない状況です。AFフレーム辺りを見れば、走る選手が振る腕が影響しているようにも思えますが、被写体追従敏感度はいつもの「やや遅い」です。状況的にこの5連写は、全てジャスピンに持っていって欲しかった、というのが私の本音です。ただ、今回は5連写で止めてしまいましたが、もし6、7コマ目があれば、それがジャスピンになる可能性は高いと思われます。なぜなら、前回載せた状況よりもシンプルだからです。(AFフレームでしっかり捕捉し続ける必要は、もちろんあります)

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AI SERVO AF を使ってサッカー選手を連写していると、ピント合わせに及ぼす任意の要因が出現する・しないにも関わらず、こうした微妙にピントがずれた画とジャスピンの画が混在する、ということはよく有りますし、皆さんも経験されているのではないでしょうか。いやむしろ、今まで例に上げたようなハッキリしたピントのズレなどは稀で、こうした連写中に微妙にピンを外すコマの方が、実はよく見受けられるのではないでしょうか。ちなみに、1D4のC.Fn Ⅲ-3 は、0:ピント優先/被写体追従優先 にしてありますが、秒10コマの高速連写での結果を見ると、AFが必死にピント合わせをしようとしつつも、連写速度に追いついていない感が受け取れることがあります。初回にも書きましたが、たとえ人が走る速度よりずっと早い移動速度でも、一定速度・一定方向・その間の形状変化無し、という状況では、もっと確率良くピント合わせがなされるものと思われます。また逆にこのレンズ+ボディの組み合わせではなく、ズームレンズを使っていたり、もっと暗い状況だったり、テレコンを使っていたりすれば、連写でのジャスピン率がこれより下がることも予想されます。
繰り返しになりますが、カメラは撮影者の脳内を読み込む機能も無く、レンズを通して得た画のみで、AFセンサーに導かれた光のみで、ピント合わせをしようとします。その過程では(私は詳しくは分かりませんが)、これまでプロの膨大な使用経験からフィードバックされたアルゴリズムが働いていることと思います。そしてそれらトータルな性能がAF性能であり、それがこれらの結果を生みます。メーカーは新機種を発表する度に、AF速度の向上・精度の向上を謳います。それは裏返せば、AFがまだ発展する余地があることを意味し、100点満点ではない証拠です。測距が1回の(キヤノンでいう)ONE SHOT AFでは、ほぼ100点に近いかもしれません(そうでなければ、機械的な不具合の可能性の方が高いでしょう)。しかし、不規則に動き、その動きも一定でなく、動きながら形状変化するサッカー選手のような被写体だと、AFフレームを当てれば必ずジャスピン、とはいかない。いや言い過ぎました、ジャスピンにならない場合もある、というのが現状ではないでしょうか。

そこで・・・

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サッカー撮影72(それでも捕捉し続ける その5) [サッカー撮影]

AFについての私的考察ですが、随分長くなってます。お付き合い頂いている方々、もう少しご辛抱ください。

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では、今回は8連写です。いつものとおり、撮影データ記しておきます。
CANON 1D MarkⅣ+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm 絞り優先AE シャッター速度 1/1250 絞り F3.2 評価測光
露出補正 -1/3  ISO 500  AI SERVO AF  RAW 高速連写モード(秒9コマに設定) 領域拡大使用

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撮影者である私が撮ろうとしているのは、背番号④の青ユニフォームの選手です。1コマ目にはピントが来ていません。ピンが来る前に連写を始めてしまったことは、反省すべき点だと思いますが、2コマ目にはピントが来ました。これでこの選手をAFフレームでしっかり捕捉していれば、ピントの合った写真を量産できるはずです(被写体追従度は「やや遅い」です)。ところが、3コマ目にはまた外してしまいます。手前にオレンジユニフォームの選手が入ってきた為でしょうか。でもまた4コマ目にはピンが来ています。指定したAFフレームではそれほど外していないのに、5.6コマ目には手前のオレンジユニフォームの選手にピントを持っていかれてしまいました。ダメかと思いきや、7コマ目にはまたピンが来て、8コマ目にはまた外しています。
上の画はノートリミングですが、ブログに載せるためサイズダウンしてあります。これでは分かりにくいので、指定したAFフレームを中心に拡大してみたのが、下の画です。

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選手と選手が重なり合うことは、サッカー撮影ではよくあることです。撮りたい選手にしっかりピントを合わせ、その選手の前や後ろの選手はボカす。これで、長焦点レンズを使いながらも立体感を出す、一眼レフカメラらしい画となるはずです。なのにこのように、一旦ピントが来てもその後行ったり来たりでは、なかなか安定して良画像を量産することが難しい。確かに、撮影者である私のAFフレームの当て方に雑さが見受けられ、それが原因の一端になっていることは、これからも分かります。もっと集中力を高める必要があったのだと思います。けれど、一旦ピントが来たら、もう少し粘ってほしかった、何のために被写体追従敏感度の設定なのか(この設定が「早い」ならば、この結果に納得できます)、との思いもあります。もう4年前の機種とはいえ、プロ機と呼ばれる1D4のAI SERVO AFですら、これが現実だったりします。

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前回も書きましたが、カメラは撮影者の意志や意図を読み込む機能を持っていません。そして、レンズを通して得た画のみで、AFセンサーに導かれた光のみで、ピント合わせをしようとします。この8連写に1秒もかかっていません。撮影者は指定した1点のAFフレームで狙いを外さないように努力はしますが、このシーンのような状況で、完璧にトレースすることなど、なかなか難しい。不規則に動いたり止まったりを繰り返す選手、しかもその動きが大きかったり早かったりする。また、手を振り、体を歪め、相手選手も割って入ってくる。色彩豊かだが反射もするナイロン繊維のユニフォームが皺になったりならなかったり、光の当たり方も反射のし方も1コマ1コマ変わっていたりする。このようなサッカー撮影においては、カメラ側のピント合わせ機能(AF)を使って完璧に、というのは、現状は無理、と思った方が良いのかもしれません。この記事シリーズの冒頭で私が、現在のAFは100点満点ではない、と書いた意味は、そのことです。

更に・・・

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サッカー撮影71(それでも捕捉し続ける その4) [サッカー撮影]

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広いグランド内を不規則に動き回る選手が被写体です。1秒後の位置を予測できれば、待ち構えて撮る、という「置きピン」はできますが、試合中の流れの中では、そうしたことができるシーンは限られるのがサッカー撮影。試合中は、動き廻る選手を正確に指定したAFフレームで捕捉し続けなければ、連写の1枚目をジャスピンにすることはできません。
その点を考慮して、では下の作例を見てください。
CANON 1D MarkⅣ+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm シャッター速度AE シャッター速度 1/1250 絞り F4.0 評価測光
露出補正 -1/3  ISO 100  AI SERVO AF  RAW 高速連写モード(秒9コマに設定) ノートリミング

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AFフレームは狙った所を外していませんが、明らかに背景にピントがいっています。3連写しても復帰の気配は有りません(故に4コマ目は撮らず)。これでは、1コマ目にピントが来なくても、AFフレームで狙いを合わせ続ければピンは来る、という1回目の仮説は崩れたことになるのでしょうか。今回載せた画だけで判断する訳にはいきませんが、「AFフレームで捕捉し続ければ、ピンは来る」は「来るかもしれない」ということでしょうか。前回の作例を踏まえれば、「AI SERVO AFでの動体撮影では、1コマ目をジャスピンにすること」には、「それでも外す場合はある」という但し書きを付けねばならないのでしょうか。

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現在のデジタル写真では、自宅のパソコンで簡単に等倍表示できます。また、その写真自体にExifデータが埋め込まれています。これによって、どのような設定で、どのAFフレームを使って撮ったのか、後になって検証することが可能です。1日をサッカー撮影に費やして、1000枚を超える画を得たとしても、その全てが望む画ではないでしょう。失敗した画、価値の無い画も多々あるはずです。そしてそれらの画を削除してしまう前に、何故そうなったのか、を反省できる環境を我々は得ています。これは銀塩からデジタルになった恩恵の一つだと思います。安易にカメラやレンズの性能の責にせず、今一度振り返ってみることも、スキルアップにつながるのではないでしょうか。自身を振り返ってみれば、ちょうど10年前に1D2を手にした私は、「プロ機を手にしたのにこんな画しか撮れないなんて・・・」と悶々とした日々を送っていた記憶があります。そしてその時の、反省の積み重ねが今に至っていると思っています。

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さて、話を上の失敗例に戻します。この画の原因は、撮影者が狙っている被写体が背景であり、その手前の選手は障害物である、とカメラ側が判断した結果だと思われます。サッカー撮影では広いグランド内を動くボールとそれに絡む選手を狙います。当然、レンズを振っての撮影になります。この画を撮る一瞬前にAF駆動をさせてしまった(シャッターは切っていない)、その際AFフレームが掴んだのは背景であった、その後AFフレームを狙う選手に合わせて連写したが、被写体追従度を「やや遅い」に設定していることもあって、カメラが粘り強く背景にピントを合わせ続けた結果の画だ、と私は推測しています。つまりは、撮影者自身とカメラの判断がズレた為の結果であって、カメラやレンズの不具合でもなければ、設定の間違いでもないのです。現在のAFの性能が、使用者の意図や意志に直結していない以上、この結果は享受しなければなりません。

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もう一例、載せます。この3連写は上の3連写と同じ日に撮ったもので、使用機材や設定はまったく同じです。

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D.P.P.にてAFフレーム(1点指定&領域拡大)を表示させたのが下です。

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AFフレームの位置のとおり、1コマ目は白いユニフォームの選手にピントが合っています。しかし2コマ目ではピンが迷い、そして3コマ目には手前の青いユニフォームの選手にピントを持ってきています。つまりAFは、手前に出現した青いユニフォームの選手を障害物とは見なさずに、これこそが撮影者の狙う被写体だった、とカメラ側が判断してピントを移動してきた訳です。もちろんその間も両選手とも動いていますから、コマ間0.125秒の間に測距しつつのAFの仕事ぶり、ということでしょう。
一例目では、手前に入り込んだ選手にピンを持ってくるには、ピント位置を大きく動かさなければならず、よって「これは障害物だ」との判断がなされたのでしょう。その点二例目では、ピント位置をそれほど大きく動かさなくても、AFフレームで捕捉された被写体にピンを持ってこれるので、ピントの乗り移りがされたものと推測できます。
もし私が後ろの白いユニフォームの選手を狙っていたのであれば、「1コマ目にピントが来たので連写したのだから、もう少し粘って欲しかった」と思うでしょう。ただそれならば、3コマ目のAFフレームの合わせ方は違ったはずで(もう少しレンズを右に振っていた)、それならばこの3コマ目は後ろの選手にピンが来ていたと思われます。もし私の狙いが青いユニフォームの選手であったら、1コマ目にジャスピンにできなかったのは私のスキル不足。それでもその後AFフレームで捕捉し続けた結果、3コマ目にピンが来た、ということになるでしょうし、この「狙う被写体の乗り移り」のお蔭でAFに助けられた、と思うでしょう。それはつまり、この章の1回目に書いた、「AFフレームで捕捉し続ければ、ピンは来る」ことになります。
選手と選手が重なり合う、しかもそれが常に動く、背景も単純ではないかもしれない、そんな被写体を撮るのがサッカー撮影。如何に高価な機材で、現在の優秀なAF性能をもってしても、100%思い通りの画を撮る事は難しいことがお分かりいただけるでしょう。それでも、常に動き回る被写体を相手にしながら、AFでジャスピンの画を量産するには、カメラ側の判断と撮影者の意図をリンクさせなければならない、という結論でしょうか。

では・・・

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